風雅堂異談
「やはり、同類であったか。ではこの体では不利か。」
そう言うと、優の体が膝から崩れる。


崩れ落ちた体の背後に立つは、ゆきの実体である。やはり尻尾が2つの猫又…いや、その尾は3本ある。


「ほっほほっ、お前も猫又か?しかも出来損ないか?なら此処で散るがよい。」元麗子であった猫又が襲いかかる。


「馬鹿め!この実体見て格の違いが分からぬとは哀れな奴!2本より3本が偉いのは子供でも分かる。いや待てよ?3等より2等が偉いか?え~ぃこの主人の体に居すぎたから、こっちまでおかしくなってきた。」


「何をゴチャゴチャ言っている。シャッー!」
襲いかかる麗子の猫又。
ヒョィとかわすと、口から霊撃の一弾を吐くゆき!
直撃を受け、空中から地面に叩きつけられる麗子の猫又。


「100年早かったの。わしに挑むは,さて、何故川辺を狙ったか教えて貰おうか。」
麗子の猫又を覗き込みながら、ゆきが言う。


「く、悔しいがかなわぬ。川辺は7代目これで我が主人の満願が叶う所で…」


「やはりな。7代祟りか?」


「そうだ。奴から7代前の当時の当主に我が主人は殺されたのじゃ。わしは主人の恨みを受け継ぎ6代目までは…が、後1人で…
< 12 / 32 >

この作品をシェア

pagetop