風雅堂異談
そう言うと麗子は、自分の携帯を取り出した。


「これ、ワンセグだから今テレビ付けるから。」


「ワンピース?って携帯が服着るの?」

「ワンセグ!この化石人!己は黙っとれ!」
麗子の一括に、小さくなる優。


「ほら、ほら!出てる出てる。生放送!あれ?何か痩せたかな?ちょっと目付きも怪しいな?感じ変わったみたい。」


携帯を受け取り優も見る。


『ん。確かに別人みたいだ?この間のおばちゃんじゃないみたいだな。』


画面には、相談者に答え霊視を行う都が映っている。
相談者が仰天するぐらいに、その答えは的を射てるようだ。

「へぇ~なかなかやるね。このおばちゃん。あれ…おばちゃん!ひっくり返っちゃった!」
素っ頓狂な声をあげた優から、携帯を奪い取る麗子。


「本当だ。大騒ぎになってる。」
画面では、番組出演者が右往左往している。
急遽テロップが出て、CMに切り替わる。


「どうしたんだろうね?心配だよね。」

「ダイエットに失敗したとか?」


「優さん!あんた真剣に考えてる?全く脳天気ってあんたの事よ!」


それを見ていたゆきは、


『虫が動き始めたか?』
なにやら訳知りの様子である。
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