風雅堂異談
的外れな優の問いに、若干イラつきながらも中川が続ける。

「そうですか?此処でも何もわからないかぁ~。どうしょう?スケジュール詰まってるし…」
その様子を見ていた優。咳払いを一つ2つ。


「えっ~ゴホン、ゴホン!」


「おや、風邪ですか?」


「違います!僭越ながら…私、本屋も営んでおりますが、魑魅魍魎妖怪幽霊、何でもござれ、えーぃ面倒だ、持ってけ泥棒!じゃなく、その類いの相談も承っておりまして。いゃ~お客様運が良い。今月間サービス期間にて格安ご奉仕中!」

「…持ってけ泥棒さんでしたっけ?あなたに原因わかると?なら、是非是非お願いしたいです。お礼は弾みます。」


「泥棒じゃないです。尾上優です。毎度ありがとうごさいます。今回特別奉仕月間につき、回数券サービス致します。」

「回数券?こんな騒ぎは一度で充分!とにかくお願いします。」


「わかりました。では都さんの住まいに伺いたいので、18時に迎えに来て貰いたいのですが?」


「18時ですね。はい迎えに来ます。何卒宜しくお願いします。」
そう言うと、慌ただしく中川は立ち去った。


優は…また読書に没頭している。
そして18時…
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