風雅堂異談
中川は続ける。
「それが、ここ2日ばかりは、資料なんて要らない。私は全てわかるから。って言い出して…実際本当に良く当たるんですよ。まさに霊能者って感じでしたね。まるで人が変わったみたいでした。」
「えっ!いわゆるヤラセだったんですか?」
優の問い掛けに…
「まぁ、あの…やっぱり視聴率を稼ぐには、…そうです。」歯切れ悪く中川が答える。
本を手に取り、ページをパラパラと捲っていた優だが、あるページで手が止まる。そこには、大きな目が二つ描かれていて、まさにその目はこの本の読者を睨み付けている。
瞬間、本を閉じた優だが何故か、また見たくなる欲望が突き上げる。
再び本を開こうとする優。
側に付き従うゆきの霊体が、
『こりゃ、いかん!全くこの主人は…』思うやいなや、優の意識体に飛び込み、優の体を一時的に支配する。
本を閉じたまま、中身はゆきの優が言う。
「中川さん。原因はおおよそ見当がつきました。少し調べたい事があるので、この本をお借りして帰りたいのですが、よろしいですね。」
その口調は有無を言わせぬ強い物があった。
突然の優の変貌ぶりに、少し戸惑いながらも、了承する中川であった。
「それが、ここ2日ばかりは、資料なんて要らない。私は全てわかるから。って言い出して…実際本当に良く当たるんですよ。まさに霊能者って感じでしたね。まるで人が変わったみたいでした。」
「えっ!いわゆるヤラセだったんですか?」
優の問い掛けに…
「まぁ、あの…やっぱり視聴率を稼ぐには、…そうです。」歯切れ悪く中川が答える。
本を手に取り、ページをパラパラと捲っていた優だが、あるページで手が止まる。そこには、大きな目が二つ描かれていて、まさにその目はこの本の読者を睨み付けている。
瞬間、本を閉じた優だが何故か、また見たくなる欲望が突き上げる。
再び本を開こうとする優。
側に付き従うゆきの霊体が、
『こりゃ、いかん!全くこの主人は…』思うやいなや、優の意識体に飛び込み、優の体を一時的に支配する。
本を閉じたまま、中身はゆきの優が言う。
「中川さん。原因はおおよそ見当がつきました。少し調べたい事があるので、この本をお借りして帰りたいのですが、よろしいですね。」
その口調は有無を言わせぬ強い物があった。
突然の優の変貌ぶりに、少し戸惑いながらも、了承する中川であった。