風雅堂異談
言葉が終わらぬ内に、みるみる業態を変化させる怨爺。巨大な一匹の虫と化す。そう、よく古い本に付いている白い虫である。
結界を喰い破り、ゆきに襲い掛かる。
軽く一歩後ろに跳び下がり、斬撃の一打をかわすと、ゆきも全身からまがまがしいオーラを放つ。
はや、その口元は耳まで裂け、目はつり上がりその姿は妖弧のそれである。その姿の背後には九本の尻尾が揺れている。
「くっ、化け狐。正体を現したか。が、この男の中に宿りし者は狐では無かったが…ええぃどうでもよい。覚悟せよ。化け狐。」
言うが早いか、二撃目を放つ怨爺。
その一撃を受け止めると…
何と、怨爺である虫を頭から喰らい尽くすゆき。
それを見つめるうめは、
「師匠、今回はあの~ちょっと、おげれつですね。もっとこう、カッコ良く出来ないですかね。虫を食べるなんて…」
本能で戦うゆきの耳には入らない。
バリバリと食らいつくす。
虫の姿がゆきに飲み込まれた途端、本はボロボロに崩れ塵となった。
「外道が、儂に逆らうとは。永久の闇に眠るがよいわ。しかし、この虫、わが主に何を見た…」
今は優の姿に戻ったゆきは呟いた。
そして、翌日…
結界を喰い破り、ゆきに襲い掛かる。
軽く一歩後ろに跳び下がり、斬撃の一打をかわすと、ゆきも全身からまがまがしいオーラを放つ。
はや、その口元は耳まで裂け、目はつり上がりその姿は妖弧のそれである。その姿の背後には九本の尻尾が揺れている。
「くっ、化け狐。正体を現したか。が、この男の中に宿りし者は狐では無かったが…ええぃどうでもよい。覚悟せよ。化け狐。」
言うが早いか、二撃目を放つ怨爺。
その一撃を受け止めると…
何と、怨爺である虫を頭から喰らい尽くすゆき。
それを見つめるうめは、
「師匠、今回はあの~ちょっと、おげれつですね。もっとこう、カッコ良く出来ないですかね。虫を食べるなんて…」
本能で戦うゆきの耳には入らない。
バリバリと食らいつくす。
虫の姿がゆきに飲み込まれた途端、本はボロボロに崩れ塵となった。
「外道が、儂に逆らうとは。永久の闇に眠るがよいわ。しかし、この虫、わが主に何を見た…」
今は優の姿に戻ったゆきは呟いた。
そして、翌日…