四日間の恋人契約
「寂しいんだ?」
悪戯に笑うと、真田もニヤリと笑う。
「そりゃ、唯一の同期だし、何より今は恋人だしな?」
最後のセリフに、うぇっと声が出る。
「うわ、ほんとに続いてるよ恋人ごっこ」
「いいじゃん、お互い楽しもうぜ。……大人の火遊び」
そうしておもむろに顔に伸ばされた手を、払い退けることもせず、私はなすがまま、彼の手がーー私の頬をムニムニするのを黙って受け止める。
「……お!?うわ、すげぇ、さすが美容専門医だな!?ほっぺ吸い付くみたいにモチモチなんだが!」
うおー!とテンションが上がったらしい真田が、両方の頬をモチモチする手をさすがにピシャリと払い退ける。
「やめい!」
「減るもんじゃないだろ」
「減るし弛むわ!」
もう、と頬を膨らませて、未だ手をワキワキさせている真田をしっしと追い払う。
しかし真田は何かを思い出したようで、あっと声をあげて、そういえばさ、と切り出す。
「吉野。お前今日夜どっか行きたいとこある?」
「え?なんで?」
「いや、デートしようと思って」