愛と呪いは紙一重
『復讐したい……復讐したい……復讐したい……復讐したい……』

「復讐なら、小室拓人を警察が逮捕すれば……」

「そんなもので彼女の呪いが解けるはずないだろう」

恵の言葉を硝子は一瞬で否定する。

「誰かに命を奪われるとね、相手への恨みや自分の「生きていたかった」という想いが呪いとなって自分を縛り付ける。それを断ち切るのに手っ取り早いのは、とっととその相手を見つけて復讐することだよ」

協力するだろ、と無言で言われてしまい、恵は未来のことを考えて恐怖を感じながら頷いた。



それから数時間後、恵と硝子はホテルの地下駐車場にいた。硝子が拓人の行きそうなところを愛から聞き、恵が警察という権力を使って電話で聞き出す。それを繰り返し、都内のラブホテルにいることがわかったのだ。

「……しかも、相手がSNSに上げている彼女じゃないってな」

呆れながらホテルに繋がるエレベーターを硝子が見張り、恵も拓人の彼女の人を疑わないことへの驚きに同意した。
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