【現代恋愛】【完結】執着的な御曹司は15年越しの愛を注ぐ
話によれば、優くんは九条リゾートの海外事業部を管轄とする副社長としての姿とは別に、モデルとして活躍している顔があるらしい。それはファッションもメイクも自由なジェンダーレスというやつで。金髪のロングヘアはウィッグだった。
自分の部屋よりも、誠さんの部屋の方が写真映えするらしくSNS用の写真を撮るのに借りていたらしい。そしてついでにとお風呂も借りていたところ、中で眠ってしまったのだという。
「それで、お義姉さんがきていることに気付いて……こっそり出て行こうとしたら化粧水のボトルを落としちゃって……」
まるで不機嫌な黒豹に怯えるリスのような態度で、おずおずと顔をあげる優くんに誠さんが溜息をつく。
「……40分だけとはいえ、ゆきのを連れてくる前にお前に貸したのが間違えだったな」
突然名前を出されて思わず焦る。
「いえっ、私ひとりで勝手に勘違いしてしまって……!」
わたわたと顔の前で手を振る私の肩を誠さんが抱いてくる。そのまま優くんに「もういい」と顎で指して、退出させてしまった。
「あのっ、誠さっ」
誠さんに引き寄せられて、そのまま唇を奪われる。ついさっきまでしていた触れあうだけの甘いそれではなく、もっと深く、息すらできなくなるほど。
誠さんの熱い想いがそのまま注がれるようで、少し苦しいけれど精一杯受け入れる。
私から少し舌を差し出すと、驚いた誠さんの唇がそっと離される。
自分の部屋よりも、誠さんの部屋の方が写真映えするらしくSNS用の写真を撮るのに借りていたらしい。そしてついでにとお風呂も借りていたところ、中で眠ってしまったのだという。
「それで、お義姉さんがきていることに気付いて……こっそり出て行こうとしたら化粧水のボトルを落としちゃって……」
まるで不機嫌な黒豹に怯えるリスのような態度で、おずおずと顔をあげる優くんに誠さんが溜息をつく。
「……40分だけとはいえ、ゆきのを連れてくる前にお前に貸したのが間違えだったな」
突然名前を出されて思わず焦る。
「いえっ、私ひとりで勝手に勘違いしてしまって……!」
わたわたと顔の前で手を振る私の肩を誠さんが抱いてくる。そのまま優くんに「もういい」と顎で指して、退出させてしまった。
「あのっ、誠さっ」
誠さんに引き寄せられて、そのまま唇を奪われる。ついさっきまでしていた触れあうだけの甘いそれではなく、もっと深く、息すらできなくなるほど。
誠さんの熱い想いがそのまま注がれるようで、少し苦しいけれど精一杯受け入れる。
私から少し舌を差し出すと、驚いた誠さんの唇がそっと離される。