【現代恋愛】【完結】執着的な御曹司は15年越しの愛を注ぐ
 オフショルダーで脚に深いスリットの入ったドレスを着た私をみて、きららは降参の顔をした。きららは事情を説明するとすぐに持っているドレスを貸してくれた。
 着せ替え人形状態で何着も着ては脱いで、最後のドレスも残念なことに似合わない。
 きららは私より6歳年下の18歳だけれど、私より背が高く、顔立ちも大人っぽい。そのためきららによく似合うセクシーなものが取りそろえられていた。

 どちらかと言えば童顔で、背もいたって平均的な私は着られている感がでてしまう。
 買いに行くことも考えて、年上の男の子とよくデートしているきららなら、と頼ってしまったけれど、趣味が違うとなるとどうしようもない。
 また振り出しに戻ってしまった。男性と出かけるような洋服のセンスに不安しかない。

一人で出かければ今持っている服と同じようなものか、もしくは店員さんに言われるがまま散財するイメージが容易にできてしまう。
 きららと私が頭を悩ませていると、ノックと同時に部屋のドアが開いた。

「お前きららの部屋にいたのかよ。新作考え中でちょっと見て欲しいんだけど……」

「ちょっと! ノックと同時に開けないでって言ってるでしょ! 着替え中だったらどうすんのよ!」

 ノートを持って入室してきた健二くんにきららの鋭い指摘が刺さる。
 悪い、と拗ねるように謝る健二くんをみて、きららがなにかひらめいたように、ぽんっと手を叩いた。
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