【現代恋愛】【完結】執着的な御曹司は15年越しの愛を注ぐ
突然現れた整った容姿の男性に手を握られている。おとぎ話のワンシーンのような光景……だけど。さっきから「やっと会えた」を連呼されているけれど、私は目の前の男性と初対面だ。こんなイケメン一度会ったことがあれば、いくら恋愛経験がないに等しい私だって忘れないと思う。
なにより、結婚なんて意味が分からない。こんな誰かも分からない相手と結婚するなんて絶対に嫌だ。嫌だ、けど。それを口にだせる雰囲気ではないし、もう決定事項のようにも聞こえる。
「君からすれば表向きには政略的な結婚になるんだね……でも絶対に後悔はさせない。絶対に幸せにするよ」
彼はもう結婚することを前提に話を続けていて、私の返事なんて聞くきもないようだ。
「待ってください!政略的な結婚ってなんなんですか? それに私は九条さんのこと存じ上げませんし、そんな人と結婚なんて……!」
「ああ、それは――……」
彼に握られていた手を振り払って、困惑をそのまま口にする。
彼はなにか答えてくれようとした。スーツの懐に手をいれて、なにかを取り出す。
チャリッと金属音のようなものが微かに聞こえた。取り出された彼の拳のなかからみえるシルバーの細いチェーン。……アクセサリー?
彼の言葉を待ち、その仕草をじっと見つめる。
仕草一つさえ先例されていて、なんて綺麗なんだろう。
なにより、結婚なんて意味が分からない。こんな誰かも分からない相手と結婚するなんて絶対に嫌だ。嫌だ、けど。それを口にだせる雰囲気ではないし、もう決定事項のようにも聞こえる。
「君からすれば表向きには政略的な結婚になるんだね……でも絶対に後悔はさせない。絶対に幸せにするよ」
彼はもう結婚することを前提に話を続けていて、私の返事なんて聞くきもないようだ。
「待ってください!政略的な結婚ってなんなんですか? それに私は九条さんのこと存じ上げませんし、そんな人と結婚なんて……!」
「ああ、それは――……」
彼に握られていた手を振り払って、困惑をそのまま口にする。
彼はなにか答えてくれようとした。スーツの懐に手をいれて、なにかを取り出す。
チャリッと金属音のようなものが微かに聞こえた。取り出された彼の拳のなかからみえるシルバーの細いチェーン。……アクセサリー?
彼の言葉を待ち、その仕草をじっと見つめる。
仕草一つさえ先例されていて、なんて綺麗なんだろう。