【現代恋愛】【完結】執着的な御曹司は15年越しの愛を注ぐ
ウェルカムドリンクのアラビックコーヒーの独特な味を楽しみつつ、ルームキーが渡されるのを待つ。
すごーい!と写真撮影に勤しむきららを横目に、私は気になっていたことを優くんに尋ねた。
「誠さんの部屋番号って知ってる?」
ホテルに着いたときからずっと気になっていた。このホテルに泊まっていることは知っていても、部屋番号までは知らなかったから。送ったメッセージは未だに既読すらつかない。
「ええ。ただ、今は仕事で外出していると思いますよ」
さらっと答えた優くんは、誠さんの部屋番号が書いてあるメモを渡してくれた。
『1721号室』これが、誠さんの部屋。
優くんは、このホテルには有名なカプチーノがあるらしく、休憩がてらそれを飲みに行こうと誘ってくれた。でも。
「ううん。私は先にお部屋に行ってようかな」
きららに楽しんできて、と手を振って、コイン型のルームキーを受け取る。
二人には申し訳ないけれど、とても落ち着いて楽しめる気分じゃない。私の頭の中は誠さんでいっぱいで落ち着かない。
――お仕事で、今このホテルにはいない。分かっているのに。
私たちが宿泊する棟の客室は5階まであるようで、私ときららの部屋は西棟の4階だ。
部屋までの移動手段は、エレベーターか螺旋階段か。
すごーい!と写真撮影に勤しむきららを横目に、私は気になっていたことを優くんに尋ねた。
「誠さんの部屋番号って知ってる?」
ホテルに着いたときからずっと気になっていた。このホテルに泊まっていることは知っていても、部屋番号までは知らなかったから。送ったメッセージは未だに既読すらつかない。
「ええ。ただ、今は仕事で外出していると思いますよ」
さらっと答えた優くんは、誠さんの部屋番号が書いてあるメモを渡してくれた。
『1721号室』これが、誠さんの部屋。
優くんは、このホテルには有名なカプチーノがあるらしく、休憩がてらそれを飲みに行こうと誘ってくれた。でも。
「ううん。私は先にお部屋に行ってようかな」
きららに楽しんできて、と手を振って、コイン型のルームキーを受け取る。
二人には申し訳ないけれど、とても落ち着いて楽しめる気分じゃない。私の頭の中は誠さんでいっぱいで落ち着かない。
――お仕事で、今このホテルにはいない。分かっているのに。
私たちが宿泊する棟の客室は5階まであるようで、私ときららの部屋は西棟の4階だ。
部屋までの移動手段は、エレベーターか螺旋階段か。