新月Days
10.
「アヤちゃん、ただいまー。」
玄関のドアを開ければ、スーツ姿のツキトがあたしを抱きしめた。
「おかえり、ツキト。」
そのままスーツの胸に顔を埋めれば、いつもの甘いコロンの香りとともに、冬のにおいがした。
これから先も、春や夏のにおいを、ツキトと一緒に感じたい。
叶うかな…?
ううん。叶えるんだ。
ツキトの隣で。
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