新月Days



「…ツキト…ごめんなさい…ごめんなさい…」



嗚咽混じりのあたしの言葉。



「もう、いいよ。大丈夫。」



背中越しのツキトの声に、



「よくないよ…、あ…たし自分のことしか考えてなくてっ…!」



吐き出した声は、みっともないくらいに、震えている。



「大丈夫、大丈夫。」



あたしを抱いたまま、頭を撫でる優しいリズム。



「…っ!…だい…じょ…ぶなんかじゃ…」



言いかけたあたしのくちびるを塞いだのは、ツキトのくちびる。



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