教育的(仮)結婚~残念御曹司(?)のスパダリ育成プロジェクト~
柔らかな笑顔と澄んだ明るい声――桐島さんのことを思い出していたら、どういうわけか脈がだんだん速くなってきた。
「な、何だ?」
俺はこれまで誰かに関心を持ったことがないし、そもそも他人にはまったく興味がない。それなのにどうしてこんなに胸がザワザワするのだろう?
覚えのない反応にうろたえていると、エレベーターの扉が開いた。
「疲れてるせいかな」
俺はかぶりを振って、フロントの方へと歩きかけ……そのまま固まった。
ロビーの一角に置いてあるソファから、見覚えのある女性が立ち上がったのだ。
「おはようございます、東野様」
深く頭を下げた後、大きな目が俺をまっすぐ見つめてきた。
そこにいたのは、笑みを浮かべた桐島さんだった。もちろん営業スマイルなのはわかっていたが、透明感のある笑顔につい見とれてしまう。
なぜだろう、彼女のいる場所だけやたらにキラキラして見えるのは?
「き、き、きり――」
「はい、東野様。『イル・スプレンドーレ』の桐島でございます。昨日はお忙しい中でお時間をいただきまして、どうもありがとうございます」
「い、いや、別に」
ちょうど思い浮かべていた相手がいきなり目の前に現れたのだ。俺はかなり慌てた。
今日の桐島さんは水色のワンピースを着て、パールのイヤリングと小さな金のブローチをつけている。
昨日のスーツ姿はスマートな印象だったが、今日はすごく――。
「な、何だ?」
俺はこれまで誰かに関心を持ったことがないし、そもそも他人にはまったく興味がない。それなのにどうしてこんなに胸がザワザワするのだろう?
覚えのない反応にうろたえていると、エレベーターの扉が開いた。
「疲れてるせいかな」
俺はかぶりを振って、フロントの方へと歩きかけ……そのまま固まった。
ロビーの一角に置いてあるソファから、見覚えのある女性が立ち上がったのだ。
「おはようございます、東野様」
深く頭を下げた後、大きな目が俺をまっすぐ見つめてきた。
そこにいたのは、笑みを浮かべた桐島さんだった。もちろん営業スマイルなのはわかっていたが、透明感のある笑顔につい見とれてしまう。
なぜだろう、彼女のいる場所だけやたらにキラキラして見えるのは?
「き、き、きり――」
「はい、東野様。『イル・スプレンドーレ』の桐島でございます。昨日はお忙しい中でお時間をいただきまして、どうもありがとうございます」
「い、いや、別に」
ちょうど思い浮かべていた相手がいきなり目の前に現れたのだ。俺はかなり慌てた。
今日の桐島さんは水色のワンピースを着て、パールのイヤリングと小さな金のブローチをつけている。
昨日のスーツ姿はスマートな印象だったが、今日はすごく――。