身体から始まる契約結婚
「ん〜〜〜、ぃったぁ!」
激しい頭痛で目を覚ました。
快晴の空の眩しさが巨大な窓から入り込んで私の網膜を刺激する。
身体中がやけに疲れていた。
何でだろうと不思議に思って、ついでに昨夜のことを思い出した。
はっとベッドの中を確認すると、何一つ着ていない自分の裸体がそこにあった。
そして、隣には誰かがいた。
いや正確には名前を知らないだけの昨夜の彼ではあるのだが。
恐る恐る隣の彼に視線を送ると、酷く整った寝顔があった。
すやすやと気持ち良さそうに眠っている。
ーーーーこんなイケメンと私は何をっ⁉︎
昨日の情事を思い返し、羞恥心に身悶えた。
未だに少しだけ腰が疼いてしまっていたのは気のせいだと思いたい。そういうことにしておきましょう。
生まれたての子鹿みたいに力の入らない身体を何とか叱咤して、私は部屋のそこら中に脱ぎ捨てられた下着とドレスを掻き集めると、バスルームに駆け込んだ。
さらっと身体を洗い流して、手早く身支度を整える。
そしてそのまま私は彼の部屋から立ち去った。
持っていたカードキーに記された部屋番号が向かいの部屋だったと気付いた時、私が頭を抱えたことは言うまでもない。
「〜〜〜〜っ! 私の方が痴女だったってこと?!」
そそくさと本来の部屋に戻って、私はもう一度眠りにつくことにした。
眠って全てを忘れたかったのだ。
だが、悔しいことに私の夢の中にも昨日の彼は現れた。
優しい声色で私を求める彼の姿はどこか非現実的で、今にも消えてしまいそうに儚かった。
だからだろうか。
次に目が覚めたとき、私は泣いていた。
彼に、もう一度逢いたい。
無意識にそう願ってしまう心を振り払って、私は気持ちを入れ替えた。
「とりあえず、ホテルのプールにでも行こうかな」
今はただ頭を空っぽにしたかった。
スウィートルームの広い部屋に私の声だけがやけに大きく響いた。
激しい頭痛で目を覚ました。
快晴の空の眩しさが巨大な窓から入り込んで私の網膜を刺激する。
身体中がやけに疲れていた。
何でだろうと不思議に思って、ついでに昨夜のことを思い出した。
はっとベッドの中を確認すると、何一つ着ていない自分の裸体がそこにあった。
そして、隣には誰かがいた。
いや正確には名前を知らないだけの昨夜の彼ではあるのだが。
恐る恐る隣の彼に視線を送ると、酷く整った寝顔があった。
すやすやと気持ち良さそうに眠っている。
ーーーーこんなイケメンと私は何をっ⁉︎
昨日の情事を思い返し、羞恥心に身悶えた。
未だに少しだけ腰が疼いてしまっていたのは気のせいだと思いたい。そういうことにしておきましょう。
生まれたての子鹿みたいに力の入らない身体を何とか叱咤して、私は部屋のそこら中に脱ぎ捨てられた下着とドレスを掻き集めると、バスルームに駆け込んだ。
さらっと身体を洗い流して、手早く身支度を整える。
そしてそのまま私は彼の部屋から立ち去った。
持っていたカードキーに記された部屋番号が向かいの部屋だったと気付いた時、私が頭を抱えたことは言うまでもない。
「〜〜〜〜っ! 私の方が痴女だったってこと?!」
そそくさと本来の部屋に戻って、私はもう一度眠りにつくことにした。
眠って全てを忘れたかったのだ。
だが、悔しいことに私の夢の中にも昨日の彼は現れた。
優しい声色で私を求める彼の姿はどこか非現実的で、今にも消えてしまいそうに儚かった。
だからだろうか。
次に目が覚めたとき、私は泣いていた。
彼に、もう一度逢いたい。
無意識にそう願ってしまう心を振り払って、私は気持ちを入れ替えた。
「とりあえず、ホテルのプールにでも行こうかな」
今はただ頭を空っぽにしたかった。
スウィートルームの広い部屋に私の声だけがやけに大きく響いた。