かけて、其れ切り
「あ、あのっ。でも私、お金持ってないので……買うのは無理でっ」
気に入った?と聞かれて何の躊躇もなく首肯してしまったことで、桜子さんから物欲しそうに見られてしまうのは何だか恥ずかしいなと思ってしまった。
「お代はいいのよ。ほら、退屈していたところにひかりちゃんが遊びにきてくれたお礼」
ふうわり微笑んでこちらに五徳をツ……と押し遣る桜子さんに、私は慌てて首を横にふる。
「そ、そんなっ。受け取れません!」
言いながら半歩後ずさったら、桜子さんがしばし逡巡するような素振りを見せる。
そんな桜子さんの視線が、私が振り回す手の方に、ふと吸い寄せられて止まった。
「――?」
キョトンとしてそんな彼女を見返したら、
「だったら……ひかりちゃんが今手に持っているマスコットと、これ。取り替えっこしない?」
眩しいくらいの笑顔で、そう提案された。
気に入った?と聞かれて何の躊躇もなく首肯してしまったことで、桜子さんから物欲しそうに見られてしまうのは何だか恥ずかしいなと思ってしまった。
「お代はいいのよ。ほら、退屈していたところにひかりちゃんが遊びにきてくれたお礼」
ふうわり微笑んでこちらに五徳をツ……と押し遣る桜子さんに、私は慌てて首を横にふる。
「そ、そんなっ。受け取れません!」
言いながら半歩後ずさったら、桜子さんがしばし逡巡するような素振りを見せる。
そんな桜子さんの視線が、私が振り回す手の方に、ふと吸い寄せられて止まった。
「――?」
キョトンとしてそんな彼女を見返したら、
「だったら……ひかりちゃんが今手に持っているマスコットと、これ。取り替えっこしない?」
眩しいくらいの笑顔で、そう提案された。