お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
届きそうで届かない距離
「お嬢さま、お嬢様。」
何度も何度も呼ばれながらも、布団から出ることのできない”お嬢様”。
「咲っ!!」
大きな声に布団の中でもぞもぞとしていた”お嬢様”は、布団から飛び出す。

「もっと優しく起こしてよ・・・玲・・・」
「では目覚ましでちゃんと起きてください。」
つめたく言い放つスーツ姿の長身の男。

「鬼!」
「鬼で結構。それから私のことは宗川とお呼びくださいと何度も」
「朝から怒鳴らないでよ・・・私が低血圧なの知ってるでしょ・・・」
「はぁ~」
「ため息つかないで。起きるから。」
布団から飛び起きた”お嬢様”はのそのそとベッドから降りようと足をおろす。

すぐにスーツ姿の長身の男は体をかがめて、その足元に室内用の靴を出した。
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