お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
車が着いたのは宮ノ内邸だ。

あの日、庭園で咲を見つけた日。
咲は大量に睡眠薬と鎮痛剤を飲んでいた。
意識のない咲を病院に運びたいと救急車を呼ぼうとして、政信の秘書にとめられた。
すべて、玲の行動は玲以外の政信の秘書に監視されていたとその時になり知った。

政信は信じていなかったのだ。
咲と玲のことを。

すぐに医師が駆け付け咲の処置をしたが、機材のそろっている病院と違い、処置に少し時間がかかった。その間に、咲の呼吸の状態も脈も弱くなり一時は命に危険もあった。

でも、咲は一命をとりとめた。
まだ意識は戻らないものの、目が覚めれば大丈夫だろうと言われている。

意識が戻るときは、そばにいたかった。
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