お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
だから一分一秒でも惜しみながら玲は最後の仕事をした。
政信に自ら条件付きの願いを伝え、受け入れられたときさらに仕事のペースを加速させた。

すべては咲の元へ戻るために。
咲のそばにいるために。

やっと咲の元へ向かうことが許された今、すがすがしささえ感じている。
ずっとこうしたかった。

でもできなかった。

咲が自分をどんな思いで送り出してくれたから知っていたからだ。

今はもうそんな咲の想いはどうでもいい。
十分頑張ったと言ってくれるくらい、努力をしたつもりだ。

咲だって、十分すぎるくらい頑張った。
お互いにお互いを想って最善を尽くしたと思えるからだ。
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