お嬢様の恋 ～秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない～

玲が背中をさすっていると、咲はいつの間にか眠っていた。

玲はそのまましばらく咲の体を抱きしめたままにする。


しばらくしてぐっすりと眠りについてから、咲を母の寝室に運び布団に横にした。

「やっぱり起きてしまうのね。」
目を覚ましていた玲の母。
「あぁ」
「かわいそうに・・・こんなに痩せて・・・」
玲が咲を布団に寝かせるのを手伝って、咲の体に布団をかけた玲の母はまた涙を流し始める。
「見ていられないよ・・・」
そっと咲の顔にかかった髪を撫でる。

「どうして神様はこんなにいい子に、こんなにもつらい運命を背負わせたんだろうね。」
すべてに意味を持つのなら、神様が咲にこんなにもつらく厳しい運命を背負わせた意味はなんだろうか。
そう考えたことがある。
でも結局意味を見つけられないままの玲。