お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「この話はここでおしまい。とにかく仕事は大丈夫。今は体を治すことが最優先だ。」
「・・・うん」
咲も事実を知ることが怖くてそれ以上聞かない。

「よし、着いた。」
場所は玲が咲の体の負担を考えて決めた。
どうしても来たい場所だけに、向かうときのルートやもしも咲の体調が悪くなった時の事など、入念に準備をしてきた。

「やっぱり」
「え?」
咲から出た言葉に目を疑うように玲は咲をみる。

「わかってた。ここだって。」
そう言って玲をみる咲。
やっぱりいつもよりも咲の表情は柔らかい。

「ばれてたか」
そう言ってはにかむ玲に、咲は視線を向けたまま玲の手を握る。
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