お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
そこに座る咲がやけに小さく感じた玲。

何も言わずに緊張している咲の斜め後ろに立ったまま、咲の父が来るのを待っていた。

「待たせたな」
「おはようございます。」
咲は席から立ち上がり父に頭を下げる。

こんなやりとりすら、普通の家族ではありえない堅苦しい雰囲気だ。

父は咲に返事をしないまま自分に用意された席に座る。

咲は父が座ったのを見てから、自分も席に着いた。


「誰が座っても良いと言った?」
父の言葉に、周りに控えていた給仕たちも息を飲む。
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