お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
手紙を読み終えた咲は泣きながらふっと笑った。

わかってる。
玲が振り返っていたこと。
約束したのに。

最後の夜、お互いに振り返らず前に進もうって。
簡単にやぶっちゃうんだから。


もう一度咲は窓の外を見る。

すべてに絶望していた時、セピア色に見えていた景色がちゃんと色づいている。


玲からの手紙を胸に抱きしめながら、咲は空を見つめ続けた。
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