お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
この3年。
咲と玲が連絡を一切取っていないことは、咲のそばにいる真岸はよくわかっている。

「もう、十分じゃないですか?」
「何が?」
咲は歩き始める。
その後ろを歩きながら真岸は話を続ける。

「約束、果たせたんじゃないですか?」
「そうね、約束は果たせたかな。」
「じゃあ、スケジュール開けましょう!」
張り切って咲の前に進み、振り返る真岸。

「うーん・・・開けなくていい。」
「なんでですか?裏情報を入手したんで、いつ帰ってくるか知ってますよ?あとはお嬢様の一言で」
「いいの!開けなくて。」
咲はふっと微笑んでから再び歩き始めた。
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