お嬢様の恋 ～秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない～

咲の仕事への姿勢は部下からの信頼を集められる。
でもその分ひとつひとつにかなり時間がかかって咲の負担は明らかに大きくなる。

以前のように薬に頼ることも、安易に食事を抜くこともしなくなった咲。
それでも時間に追われてしまうのは変わらない。

「休憩しますか？」
「ありがとう。紅茶、淹れてもらってもいい？」
「もちろん。すぐに用意します。」
咲は咲なりの体の休め方やリフレッシュの仕方を覚えた。
真岸もそんな咲に合わせた支え方ができるようになってきている。

「親身になって考えすぎですよ。」
最近は真岸も遠慮せず咲に意見を言うようになってきた。
「そうかな」
「そうです。人事異動ひとつにこんなに悩む企業の社長はいませんよ。まして、うちのように大きな企業なのに。」
「だからでしょ。」