お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「え?」
咲の前に淹れたての紅茶を用意する真岸。
紅茶はいつもカモミールティーだ。
これは玲から教わっている。

疲れている時、咲は血流が悪くなって頭痛を感じることがある。
そんな時は温かいカモミールティーを用意するといいと昔聞いた。

玲の言う通り、効果絶大に感じることが多い。

「ありがとう。」
咲はさっそく用意された紅茶を口に含む。
「こんなに大きな企業。関わる人がたくさんいる。でも、だからこそどこかに穴が開いたり、どこかが不安定になると、大きく崩れてしまうかもしれない。それが私は怖い。」
咲が変わっても、咲の背負うものの大きさは変わらない。

それは近くで咲を支えている真岸が一番よくわかっている。
< 177 / 320 >

この作品をシェア

pagetop