お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「同じように、誰かがそばにいてくれれば。頼れる存在がそばにあれば。そう思うことがあった。」
「知りませんでした。」
「・・・言葉にすることなど許されなかったからな。」
もしかしたら父は自分の一番の理解者なのかもしれないと咲は気づいた。
同じように生まれた時から大きな運命を背負って来た父。
厳しく経営者としての生き方を教わってきた。

咲にとっての祖父、父にとっては実の父い親は若くして亡くなった。
咲の父が宮ノ内グループの代表になったのは30歳になる前。
ある日突然、大きな運命を背負った父。

自分よりも厳しい人生を歩んできた。

だからこそ、いつ自分に何があってもいいようにと咲に厳しくしてきたのかもしれない。

「私が唯一信頼できる人物をお前と共同経営者として選任した。会ってみて、一緒に仕事をしてみて気に入らなければ、その人物の人事配置はお前に任せる。きっと力になるはずだ。」
政信はそう言って咲の方を見た。
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