お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「やっぱり、庭園に行ってもいい?」
食後、食堂から部屋に戻る途中で咲が立ち止まり真岸の方を見る。
「すでにスケジュールの調整は済んでいます。」
「さすがね。」
咲は真岸に微笑みかける。

「ハンカチも、ありがとう。」
「いえ。お嬢様のお役に立てることが私の喜びですから。」
「まさか、好きなの?私のこと。」
「何言ってんですか!?私にはちゃんと婚約者が」
「知ってますー。」
本気になる真岸をからかうように咲が無邪気に笑う。

「全く・・・」
そう言いながらもふっとつられて笑う真岸だった。

咲には周りの人をひきこむような魅力がある。
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