お嬢様の恋 ～秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない～

「清次さん！」
庭園の花畑。
「お嬢様。おはようございます。」
「おはようございます。今日は何してるんですか？」
「ひまわりの種を植えています。夏に大輪の花を咲かせるように今から準備しないと。」
「ひまわりかぁー。楽しみ。」
純粋で、まっすぐな咲の性格。
育った環境を考えると、こんなにまっすぐに育ったのが信じられないくらいだ。
「本当にお嬢様は天真爛漫という言葉がまさしくあいますね。」
知り合ってから間もない清次もすでに咲の魅力にひきこまれている。

「今度、手伝わせて。」
「いいですよ。」
少しでも時間が空くと咲は清次の元へ向かい、花の手入れや種植えを手伝っている。
「じゃあ、少しだけ休憩。」
「承知しました。20分後にお迎えに来ます。」
真岸はそう告げて、咲を東屋に残してその場から離れた。