お嬢様の恋 ～秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない～

泣き笑いの表情で咲は両手を広げている玲の元へ駆け寄る。

そして抱き着く。
勢いをつけて胸に飛び込んだ咲をも、簡単に受け止める玲。

「ただいま」
強く強く抱きしめられながら、その声に咲は目を閉じる。

「おかえり」
ずっとずっとこの瞬間を待っていた。

毎日空を見上げながらこの瞬間を待っていた。

「よく頑張ったな。頑張った。頑張ったよ。」
約束通りに咲のことをほめる玲。

「約束・・・」
「あぁ。約束、ちゃんと守れてた。咲も俺も。」
「頑張った・・」
「あぁ。よく頑張ったな。知ってるよ。咲がどれだけ頑張ってたか。ちゃんと届いてた。離れてても。届いてた。」
「私にも。ちゃんと届いてた。」