お嬢様の恋 ～秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない～

どんなにつらいことがあっても、苦しいことがあっても、あの手紙を見ながら待っていた。
もう一度この場所に戻れるように願いながら。その日を夢に見ながら。

夢に見た世界にたどり着いた瞬間をかみしめる。

玲も同じだった。
この瞬間をずっと待っていた。
この瞬間のためにすべての力を注いできた。

二人はしばらく、抱きしめあい、キスをして、お互いの存在を確認し合った。



「玲が共同経営者？」
「そう」
落ち着いてから玲から告げられた言葉に咲は耳を疑う。
「本当に？」
「あぁ。これは3年前、代表から言われていた条件だったんだ。」
玲は咲の肩を抱きしめながらベンチに座り話始めた。