お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「私は彼との幸せな思いでと一緒に生きて行きます。だから、そんなに責めないでください。自分の事。本当に感謝しているんです。」
咲は涙で言葉に詰まりながら、真岸の彼女に何度も頭を下げた。

「あなたも重症だと聞きました。無理しないでください。早く回復されることを願っています。」
真岸の彼女からの言葉に、咲は深く頭を下げる。
最後に彼女は玲に向かって「ちゃんと咲さんを支えてくださいね。」と微笑んだ。

「はい」
力強く頷く玲。

玲の心も複雑だ。

留学している時も、咲のことを連絡してくれていたのは真岸だ。
咲のもとから離れる前に、真岸は咲の支え方を知りたいと申し出てくれた。
今の玲があるのも、玲と咲があるのも、真岸のおかげだ。
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