お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
病院に着くころには咲はぐっすりと眠っていた。

ここ数日無理をしすぎている咲。
玲は車から咲をおんぶして病室に戻った。

ゆっくりと咲をベッドに寝かせる。
喪服から病院の服に着替えをさせて、化粧を落とす。
結んでいた髪をほどき、眠りやすいようにしてから、咲の髪を撫でる。

玲は知っていた。

咲が責任を感じていて、自分の背負ってきたものをすべて手放そうとしていることを。


でも、すでに咲が背負っていた運命は咲自身になっていて、すべて彼女の人生と共にある。
すべてを手放すことは自分の身を切り離すことと同じように痛みを伴うことも、玲にはわかっていた。

これからの未来・・・どうするか・・・
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