お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「咲、頑張ったな。」
まだ意識のない咲に話しかける玲。
そんな玲と咲の姿を政信は静かに唇をかみしめたまま見る。

優しい顔を咲に向けながら、咲の髪を撫で、手を握り声をかける玲。

ふたりの間には何も立ち入れない。

そんな雰囲気に、政信は胸が痛んだ。

「頑張ったな。」
何度もそう言いながら玲は咲が目を覚ますのを待ち続けた。



「・・・」
咲が目を覚ましたのは夜になってからだった。
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