お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
午前2時半。

この数日、代表との食事の後から咲が体調を崩していることは知っていた。
食欲もなく、無理やり夕飯も数口食べさせたことも気がかりだった。

離れるべきじゃなかった。

玲は自分を責めながらも冷静を装い、自分の携帯電話から咲に連絡する。

しかし、着信音は咲の部屋の中から聞こえてくる。

電話を切った玲は咲のクローゼットを確認した。
咲の上着はだいたい頭に入れてある。

何かなくなっているものはないか確認をする。

でも、夜仕事から帰宅して、咲が脱いだコートをかけた玲は何もその時から変わっていないことにすぐに気が付いた。
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