お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
真岸優助。

京子の亡くなった恋人の名前。

「いいの・・・?」
涙で言葉に詰まりながら言う京子に同じように涙を流しながら言う咲。
「男の子だったら絶対にその名前を付けようって」
「二人で決めてたんです。」
涙で話ができなくなった咲の言葉に、玲が続ける。

「言葉にはしなくても俺たちは同じ想いでした。彼のように、優しくて、大きな人になってほしい。そう願いを込めて。」
京子は顔をくしゃくしゃにして涙を流す。

そして、抱いている優助を見つめる。

「優助君、優しくて、強くて、誰からも好かれる人になってね。どうか・・・健やかに・・・」
肩を震わせて泣く京子。
< 318 / 320 >

この作品をシェア

pagetop