お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「ばか・・・」
強く強く抱きしめる。
冷え切った咲の体は予想していたよりも華奢で、今にも壊れてしまいそうなほどだった。

自分の胸の中に強く抱き寄せて包みこむ。

なんて無力なのだと思いながら、玲は咲の体を抱きしめ続けた。



少しして、玲は少し冷静さを取り戻し邸宅内を探している家政婦に連絡をした。
咲が見つかったこと、そして主治医に連絡をとりすぐに来てもらうこと。

指示をしてからすぐに咲の体をおんぶする。
「昔、こうしておんぶしたことあったよな。」
幼い時、一歳年下の咲はよく甘えて玲におんぶをせがんだ。
< 35 / 320 >

この作品をシェア

pagetop