お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「お願いがあるの。」
玲に抱き留められたまま、咲は玲の方を見る。
そして、少し潤んだ瞳で玲にお願いした。




玲に支えられて、咲が向かったのは大好きな庭園の東屋だった。

「どういうことだよ。」
いつもなら咲が親し気に話をすると、ちゃんと立場をわきまえるように諭す立場だった玲。
今は立場を考えて言葉を選ぶ余裕がない。

東屋のベンチに咲を座らせて、自分の着ていたスーツのジャケットを咲にかけ、しゃがむと咲を見てつめよる。
「どうしてだよ」
まっすぐ咲を見つめる玲。
咲は視線を庭園の方に向けたまま話始める。
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