お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「それから」
咲は動揺を見せないように、父から視線をそらさない。
その父が少し後ろに視線を少し移した。

「お前に一番長くついていたのは宗川だ。その責任も問う。」
「・・・」
動揺しないようにとしていた咲が明らかにピクリと体に反応を見せる。

父が初めて玲を咲との食事に連れて来たのは、こういう意味かと察する。
玲も咲もそれは同じだった。

政信のすることには常に意味がある。

今回の意味はこれだ。

咲の後ろに控えていた真岸は気づかれないようにため息をつく。

やっぱりそうだ。
彼女を守る人はいない。彼女に更に頑張れ、努力しろ、しっかりしろと要求する。
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