お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「もう宗川さんは私には関係のない人です。そこまで責任を広げるのは宮ノ内グループにとってどうなのでしょうか。」
負けじと父に向かう咲をみるのは玲ははじめてだ。
でも、内心やめてほしいと願う。

どんな言葉を言おうと、何をしようと、代表にはかなわない。
無理だと知っている。
だからこそ、玲は咲が苦しくなるだけだとわかっている。

「宗川、どう思う?」
不敵な笑みを浮かべた父が咲の方を見たまま玲に問う。

「私にもお嬢様の状態は関係のないことです。しかし、もしも私の責任も問うというのならば従います。」
どう返事をしたらいいかわからない。
咲が傷つかない返事はなんだ。咲が苦しまない返事はなんだ。
そう自問自答しながら咲の方を見る玲。
< 83 / 320 >

この作品をシェア

pagetop