お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「ただ、私にはやり残したことがたくさんあります。代表の秘書をさせていただき、新しく知ることが多く、刺激の多い日々を送らせていただいています。今まではただ知ることが中心でしたが、やっとお役にたてるような計画や見通しをたてられたところです。今、退くことは残念です。」
玲はフォローする。

咲の父にとっても、玲が残ったほうが都合がいいことをアピールしたかった。

事実、玲は5名いる政信専属の秘書の中でも専門知識が圧倒的にある。
そして決断力や気遣いは群を抜いていた。

政信は仕事を覚えたら、秘書の中でも玲を昇格させたいと思っていたほどだった。

「食べなさい。冷める」
咲の父は咲に座ることを促し食事を始めた。

食べものがうまくのどを通らないような雰囲気の食堂。
< 86 / 320 >

この作品をシェア

pagetop