お嬢様の恋 ~秘書兼護衛係はお嬢様への一途な想いを隠せない~
「あれはだめだ。」
次の場所へと向かう代表の車。
専属のドライバーが運転する高級車の後部座席に玲と咲の父である宮ノ内政信が並んで座っている。
貿易会社の社長たちとの会議がある。
その事前打ち合わせをしている最中に、政信が唐突に話始めた。
「なんのことでしょうか。」
玲が何となく話の趣旨をわかりながら問う。
「咲だ。あれはどうにもこうにも育たん。社長としての器がない。」
「お嬢様なりに精一杯努力されていることを私はそばで何年も見てきました。」
「咲の唯一正しい判断だったのは、私に宗川の移動を懇願してきたときだ。」
玲は政信の方を見る。
「正しい判断だった。社長として。私情よりも社長として、一人の宮ノ内の人間として正しい判断だった。しかし、それ以外はだめだ。」
「私はだめだとは思いません。」
初めて玲は政信に反対をする。
次の場所へと向かう代表の車。
専属のドライバーが運転する高級車の後部座席に玲と咲の父である宮ノ内政信が並んで座っている。
貿易会社の社長たちとの会議がある。
その事前打ち合わせをしている最中に、政信が唐突に話始めた。
「なんのことでしょうか。」
玲が何となく話の趣旨をわかりながら問う。
「咲だ。あれはどうにもこうにも育たん。社長としての器がない。」
「お嬢様なりに精一杯努力されていることを私はそばで何年も見てきました。」
「咲の唯一正しい判断だったのは、私に宗川の移動を懇願してきたときだ。」
玲は政信の方を見る。
「正しい判断だった。社長として。私情よりも社長として、一人の宮ノ内の人間として正しい判断だった。しかし、それ以外はだめだ。」
「私はだめだとは思いません。」
初めて玲は政信に反対をする。