好みの彼に弱みを握られていますっ!
「いただきます」
そういえばさっき、これを出されてすぐにも同じことを言ったっけ。
結局言うだけ言ってひとくちも口をつけていなかったのだから、織田課長に飲んで欲しいと促されるのも無理はない気がした。
鼻先までカップを持ち上げたら、ミルクと珈琲のフレーバーに混ざって、ほんのりとフルーティーな香りが上がってきた気がして「ん?」と思う。
珈琲豆がそういう種類なのかな?
そう思いながら口に含んでコクン、と飲み込んで。
「織田課長、これ!」
思わず叫んでしまう。
だって、だってこの味っ。
口に含んだときには余り分からなかったけれど飲み込んだ後、鼻に抜けた香りがどう考えても――。
「ん? まさかひとくちで分かっちゃいましたか」
いけしゃあしゃあと微笑まれて、私はその笑顔に一瞬ひるみそうになる。
でも、負けてなんていられない。
だって、こんな……勝手に酷いよ。
「どっ、毒を盛られた気分です!」
別に毒ではないけれど、今から運転しなきゃいけなかったのに出来なくなってしまったじゃない!
そういえばさっき、これを出されてすぐにも同じことを言ったっけ。
結局言うだけ言ってひとくちも口をつけていなかったのだから、織田課長に飲んで欲しいと促されるのも無理はない気がした。
鼻先までカップを持ち上げたら、ミルクと珈琲のフレーバーに混ざって、ほんのりとフルーティーな香りが上がってきた気がして「ん?」と思う。
珈琲豆がそういう種類なのかな?
そう思いながら口に含んでコクン、と飲み込んで。
「織田課長、これ!」
思わず叫んでしまう。
だって、だってこの味っ。
口に含んだときには余り分からなかったけれど飲み込んだ後、鼻に抜けた香りがどう考えても――。
「ん? まさかひとくちで分かっちゃいましたか」
いけしゃあしゃあと微笑まれて、私はその笑顔に一瞬ひるみそうになる。
でも、負けてなんていられない。
だって、こんな……勝手に酷いよ。
「どっ、毒を盛られた気分です!」
別に毒ではないけれど、今から運転しなきゃいけなかったのに出来なくなってしまったじゃない!