好みの彼に弱みを握られていますっ!
11.だったら試してみればいい
はっきり言って、私の事情なんかよりここの家主である宗親さんが、快適に過ごせないようなことになってはいけないと思って。
――宗親さんは私がいても眠れちゃったりしますか?
さして深い考えもなくそう問いかけた私に、彼はニコッと極上の笑顔を向けると、
「気になりますか? だったら試してみればいい」
とおっしゃって。
私は一瞬何を言われたのか分からなくて、思考が停止してしまう。
「――え? あの……?」
ややしてキョトンとした顔でベッドの上から宗親さんを見上げたら、
「今夜はやはり泊まって行きなさい、春凪。それで、眠れるかどうか、お互いに確認してみましょう」
真顔でそんなことを提案されて、びっくりしてしまった。
「帰るとしたら、春凪は代行タクシーで車ごと自宅に戻るか、普通のタクシーで帰宅した春凪を追って、僕が後からキミの車を送り届けてから、再度ここへタクシーで戻るかしないといけません。――だけどそれって、ものすごく無駄な経費かなって」
そこで一瞬だけフッと笑うと、
「最初僕はそういうつもりでいたんですけど、倹約家の春凪ならそんな勿体無いことしてはいけませんって怒るかな?と思いまして……。どうですか? 僕の読み、当たってますか?」
な、何ですかっ。
そのご主人様に褒めてもらうのを待っている、忠実な大型犬みたいなキュンとくる〝嘘くさい〟眼差し!
パンチ力ありすぎてクラッと来たじゃないですかー!(涙目)
こ、これって私を立てるみたいな言い方をなさってますけど、ある種の脅しですよね?
――宗親さんは私がいても眠れちゃったりしますか?
さして深い考えもなくそう問いかけた私に、彼はニコッと極上の笑顔を向けると、
「気になりますか? だったら試してみればいい」
とおっしゃって。
私は一瞬何を言われたのか分からなくて、思考が停止してしまう。
「――え? あの……?」
ややしてキョトンとした顔でベッドの上から宗親さんを見上げたら、
「今夜はやはり泊まって行きなさい、春凪。それで、眠れるかどうか、お互いに確認してみましょう」
真顔でそんなことを提案されて、びっくりしてしまった。
「帰るとしたら、春凪は代行タクシーで車ごと自宅に戻るか、普通のタクシーで帰宅した春凪を追って、僕が後からキミの車を送り届けてから、再度ここへタクシーで戻るかしないといけません。――だけどそれって、ものすごく無駄な経費かなって」
そこで一瞬だけフッと笑うと、
「最初僕はそういうつもりでいたんですけど、倹約家の春凪ならそんな勿体無いことしてはいけませんって怒るかな?と思いまして……。どうですか? 僕の読み、当たってますか?」
な、何ですかっ。
そのご主人様に褒めてもらうのを待っている、忠実な大型犬みたいなキュンとくる〝嘘くさい〟眼差し!
パンチ力ありすぎてクラッと来たじゃないですかー!(涙目)
こ、これって私を立てるみたいな言い方をなさってますけど、ある種の脅しですよね?