好みの彼に弱みを握られていますっ!
「――あれ? 言ってませんでしたっけ? 僕には8つ下……、つまりはキミと同い年の妹がいます。年が離れていてひとりっ子期間が長かったからか、(きょうだい)がいるようには見えないってよく言われるんですけどね」

 宗親(むねちか)さんと8歳違いで私と同い年!?
 嘘でしょ? めちゃくちゃ意外なんですけど!と思いながら宗親さんを見つめて、私は聞かずにはいられない。


「似て……らっしゃいますか?」

 宗親さん(あなた)と。

 思わず口走ったら、さっきから掴んだままだった宗親さんの手に、彼の反対側の手が添えられる。


 そのままギュッと手を握られて、顔を覗き込まれた私は、居心地の悪さにソワソワと視線をさまよわせた。

「あ、あの……っ?」

 あまりに近すぎて心臓が壊れそう。

 なのに手を掴まれているから距離を取るに取れなくて。

 そもそもベッドに半身起こしたままの私が、彼から距離を取ろうとしたら、きっと無様にベッドに寝そべることになってしまうの。

 それは、大変よろしくない気がいたします!
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