好みの彼に弱みを握られていますっ!
 いつか飲み会とかあったら、お酒の力を少し借りて、今日の非礼を謝れたらいいな。

 いつになるやら……なことをふと思ってから、それにつられるように先日のバーでの一件を思い出した私は、縁起でもない!と、ふるふると首を振ってその記憶を頭の中から追放した。

 好みの男性にあんな話聞かれちゃうとか……今考えても恥ずかしくて顔が熱くなってしまう。


 あの人はどの辺りから私の話を聞いていたんだろう。

 将来誰かと結婚したとして、営みの時は下しか脱がない宣言をして笑われたことは確かだから、そこは確実に聞かれていると思う。
 それはそれとして、じゃあ何で私がそう考えるに至ったか、の理由はどうかな。

 そこ、聞かれちゃったのかな。

 まさか私が自分の(からだ)にコンプレックスを抱えていて、それが理由で彼氏にフラれたってところまでバレてはいないと思いたい。

 あ。でも……。

 あの人、元カレのこと「そんなくだらない男」とか言ってなかった?


 ってことはきっと――。
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