好みの彼に弱みを握られていますっ!
***
「返したいって……どう言うことですか?」
一度渡したものを引っ込める気はありませんよ?と再度言い募ってくる宗親さんへ、
「いくら何でも額が太すぎます!」
と言ったらキョトンとされた。
「どこの世界に5万円もするギフトカードをポンと部下に渡す上司がいるんですかっ」
そこに例のセクハラ案件に関する慰謝料が含まれていることを加味しても、私には余りある金額です。
「私、もうモーニングとカフェラテ一杯分、ここから宗親さんにおごっていただきました! それだけで十分過ぎるくらいです。――残りは……宗親さんが使ってください」
お金は大事にしなきゃダメです、と付け加えながら再度グイッとカードを宗親さんの方へ突き出したら、ようやく宗親さんが手を伸ばしてきて。
ホッとしたのも束の間、掴まれたのはカードではなくそれを差し出した手首だった。
そのままその手をグイッと引かれて、
「ひゃっ」
よろりとよろめいたところを、ソファーに座る宗親さんに抱き止められる。
突然のことに驚いて思わず上を見上げたら、ニコッと微笑まれた。
瞬間、ドキン!と心臓が跳ねる。
「返したいって……どう言うことですか?」
一度渡したものを引っ込める気はありませんよ?と再度言い募ってくる宗親さんへ、
「いくら何でも額が太すぎます!」
と言ったらキョトンとされた。
「どこの世界に5万円もするギフトカードをポンと部下に渡す上司がいるんですかっ」
そこに例のセクハラ案件に関する慰謝料が含まれていることを加味しても、私には余りある金額です。
「私、もうモーニングとカフェラテ一杯分、ここから宗親さんにおごっていただきました! それだけで十分過ぎるくらいです。――残りは……宗親さんが使ってください」
お金は大事にしなきゃダメです、と付け加えながら再度グイッとカードを宗親さんの方へ突き出したら、ようやく宗親さんが手を伸ばしてきて。
ホッとしたのも束の間、掴まれたのはカードではなくそれを差し出した手首だった。
そのままその手をグイッと引かれて、
「ひゃっ」
よろりとよろめいたところを、ソファーに座る宗親さんに抱き止められる。
突然のことに驚いて思わず上を見上げたら、ニコッと微笑まれた。
瞬間、ドキン!と心臓が跳ねる。