好みの彼に弱みを握られていますっ!
***
「今夜は鶏肉のクリームパスタで構いませんか?」
聞かれて、お財布とスマホを手に取る宗親さんをぼんやり眺めながら、私はよく分からないままに小さくうなずいた。
「春凪、ひとりにして悪いんですけど、そのカードで下着と……今夜の泊まりに必要だと思うものを揃えて部屋で待っていてもらえますか? 僕は近くのスーパーに食材の買い出しに行ってきます。ついでに寄りたいところも出来ましたし」
宗親さんの話によると、あのカフェのプリペイドカードは、どうやらこのマンションに隣接したコンビニでも使えるらしい。
またしても残高を減らすことに罪悪感を覚えつつ。
でも、そもそも宗親さんが私にアルコールを盛らなければこんなことにはならなかったのだから、とそこは開き直ることにする。
だけど――。
リビングで、振り返りざま別行動になるようなことを言われた私は、にわかに不安になった。
そのせいで、さり気なく付け加えられた〝寄りたいところ〟について聞きそびれたことを、後悔することになるのはもう少し後の話。
「今夜は鶏肉のクリームパスタで構いませんか?」
聞かれて、お財布とスマホを手に取る宗親さんをぼんやり眺めながら、私はよく分からないままに小さくうなずいた。
「春凪、ひとりにして悪いんですけど、そのカードで下着と……今夜の泊まりに必要だと思うものを揃えて部屋で待っていてもらえますか? 僕は近くのスーパーに食材の買い出しに行ってきます。ついでに寄りたいところも出来ましたし」
宗親さんの話によると、あのカフェのプリペイドカードは、どうやらこのマンションに隣接したコンビニでも使えるらしい。
またしても残高を減らすことに罪悪感を覚えつつ。
でも、そもそも宗親さんが私にアルコールを盛らなければこんなことにはならなかったのだから、とそこは開き直ることにする。
だけど――。
リビングで、振り返りざま別行動になるようなことを言われた私は、にわかに不安になった。
そのせいで、さり気なく付け加えられた〝寄りたいところ〟について聞きそびれたことを、後悔することになるのはもう少し後の話。