好みの彼に弱みを握られていますっ!
***

 お風呂上がり。

 脱いだ下着をしっかりと2枚重ねにしたビニール袋に包んで密封してから、鞄の底の方へ仕舞い込んだ。

 本当はすぐにでも洗いたいけれど、現実問題濡らしてしまったら「どこに干すの?問題」が浮上してくるので今日は我慢。

 明日帰ったらすぐに洗うから許してねって下着たちにご免なさいをして鞄を閉じる。


 そうして、先ほどコンビニで買ってきたばかりのカップ付きキャミソールとショーツを身につけてから、宗親(むねちか)さんが貸してくださった白の半そでシャツを着る。

 身長差が20センチ以上あるお陰で、太ももの半ばまで丈があるけれど、ミニスカートですか!?みたいな危うい印象はどうしても拭えない。

 ふっふっふ。でもね、大丈夫。

 さっき金銭感覚うんぬんで褒められたばかりなことを考えると、大ひんしゅくを買ってしまうかもしれないけれど、必要経費だと思って許して欲しい。

 ――そもそも、あのプリペイドカードの残高がありすぎるからいけないのよ!

 などと手前勝手な理由を頭の中で並べ立ててから、私はショーツの上にチェック柄の黒っぽい男性用下着(トランクス)を重ねた。

 股のところが前開きになっているのが少し気になるけれど、そこはもう目をつぶろうと思う。
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