好みの彼に弱みを握られていますっ!
 さっきまで短かすぎてショーツが見えそうだった格好が、短パンがわりに重ねたトランクスのお陰でかなり安心できる見栄えになった。

 ドラマや漫画などでは〝彼シャツ〟の破壊力がよく描かれているけれど、お生憎様。
 私と宗親(むねちか)さんは別に本当の恋人同士ではないのだし、こっちの方がいいに決まってる。


***


「お風呂、有難うございました」


 少し悩んだけれど、普段からそんなに化粧を塗りたくっているわけではないし、眠るだけだからいいよねって思って、化粧水などで肌を整えただけのスッピンノーメイクでリビングに入った。


 一応の配慮にマスクをして顔半分を覆ったけれど、暗くなったら息苦しいから外してしまおうとか目論んでいたりします。


 宗親さんは、今日私がうたた寝してしまった例のキングサイズベッドで一緒に寝ましょう、みたいなことをおっしゃっていたけれど、あれはきっと私の覚悟を試すための冗談だよね?

 リビングに置かれていたソファーが、フラットになってベッドみたいになる仕様だというのはチェック済みだもの。


 私、今夜はそちらで眠らせていただこうと思ってます。
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